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特集 インバウンドと在留外国人—その増加と諸課題
外国人雇用の拡大に伴う産業保健の課題と展望
著者: 内野文吾1
所属機関: 1ヤマハ発動機株式会社 健康推進センター
ページ範囲:P.108 - P.113
文献購入ページに移動近年,わが国を訪れる外国人は飛躍的に増加している.東日本大震災が起きた2011年は一時的に落ち込んだものの,それ以降は毎年24%から多い年で47%の伸び率を示しており,2018年には3,000万人を突破する勢いである1).観光地はもちろんのこと,街中でも外国人を見かけないことはないくらい,日常生活の一部となってきた.政府は東京オリンピックが予定されている2020年までに訪日客4,000万人を目標に掲げており,一部の国の観光ビザ免除や円安の進行などで後押ししている.
一方,外国人旅行者に比べると絶対数は少ないものの,外国人労働者も年々増加しており,毎年,過去最高を更新している.製造業に限らず,例えばコンビニエンスストアなどの小売業,レストランや居酒屋などの飲食業,または建設業など,さまざまな業種で外国人労働者のサービスを受けることは珍しくなくなり,労働力としての存在感を高めている.彼・彼女らはわが国で雇用される以上,各種労働法のルールの下で就労することになるが,健康確保の基本となる産業保健に関して問題となる事例があるのも事実である.
本稿では,わが国における外国人労働者の現状と,ヤマハ発動機株式会社(以下,当社)での取り組みと対応事例を通して,産業保健の実務上の課題を整理し,その対策について概説する.
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