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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻3号

2019年03月発行

文献概要

特集 公衆衛生の実践倫理

学校保健安全活動における実践倫理的課題—学習権保障と健康権保障の関係から

著者: 瀧澤利行1

所属機関: 1茨城大学教育学部教育保健教室

ページ範囲:P.190 - P.195

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学校保健安全活動の実践倫理的基盤
歴史的位相から
 わが国における今日の学校保健安全活動は,客観的な事象としては,学校における幼児,児童生徒,学生および教職員に対する健康・安全の保持増進活動と捉えることができる.また,それは公衆衛生活動の学校教育領域における展開としての性格を有するとともに,保健安全的配慮に基づく学校教育の展開としての性格をも有している.つまり,公衆衛生活動の一環として理解できるとともに,明確な教育活動としても捉えることができる.
 上記のことは,一見すると何ら矛盾のない整合的な関係を持つ活動と見なすこともできるが,わが国における学校保健安全活動の成立過程をたどりつつこの問題を考えてみると,そこにはある種の緊張関係と実践的課題があり,それらは単に活動の現象面にとどまらず,実践倫理的課題を内包し続けてきたことを見いだし得る.

参考文献

1)三島通良:学校衛生事項取調復命書摘要.文部省普通学務局,1893
2)三島通良:学校衛生学.pp2-24,博文館,1893
3)杉浦守邦:養護教員の歴史.東山書房,1974
4)内田良:柔道事故.河出書房新社,2013
5)内田良:教育という病 子どもと先生を苦しめる教育リスク.光文社,2015
6)スポーツ庁:運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン.http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/013_index/toushin/__icsFiles/afieldfile/2018/03/19/1402624_1.pdf
7)森由紀,他:小学生の学習用具の携行方法と負荷について.日本家政学会誌50:949-958, 1999
8)文部科学省初等中等教育局:児童生徒の携行品に係る配慮について.http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/keikohin/__icsFiles/afieldfile/2018/09/06/1408967_001_1.pdf
9)三島通良:学校衛生学.pp17-18,博文館,1893
10)高柳泰世:改訂版 つくられた障害「色盲」.朝日新聞出版,2014
11)日本眼科医会:学校における色覚検査に関する見解.https://www.gankaikai.or.jp/colorvision/20151115_view.pdf
12)唐津秀雄:学習生活の衛生学的研究(第1報) 板書に関する衛生学的一考察.日衛誌15:329-338, 1960

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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