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特集 企業経営と公衆衛生の接点
企業の社会的責任からCSR,そしてCSVへ—公害問題から価値創造へ
著者: 國部克彦1 増子和起1
所属機関: 1神戸大学大学院経営学研究科
ページ範囲:P.257 - P.261
文献購入ページに移動企業と社会をめぐる問題の領域では,最近では,CSR(corporate social responsibility:企業の社会的責任),ESG(environment, social and governance:環境,社会,ガバナンス),CSV(creating shared value:共有価値の創造),SDGs(sustainable development goals:持続可能な開発目標)のように3文字のアルファベットがあふれている.これは,企業と社会の関係が欧米主導のコンセプトでリードされていることの表れである.しかし,かつては公害問題や労働争議のように,日本語で問題が特定化されていた時代もあった.
現在でも環境問題や人権問題あるいは格差拡大など,具体的な社会問題は,多く存在している.しかし,上記のアルファベットの略語で示される抽象的な世界で議論されていることとは問題の本質を異にする.本稿では,最近の50年ほどのタイムスパンで企業と社会をめぐる問題の歴史を振り返り,さらに将来を展望する.なお,「公衆衛生」誌の性質を考慮して,最近,注目されている健康経営の動向にも言及する.
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