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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻4号

2019年04月発行

文献概要

特集 企業経営と公衆衛生の接点

公共を担う中間組織・団体の現状と課題—NPOを軸とした社会的基盤づくり

著者: 柗永佳甫1

所属機関: 1大阪商業大学公共学部

ページ範囲:P.294 - P.298

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公共を担う中間組織
政府に代わる準公共財供給主体として
 「中間組織」は,個人と国家をつなぐ役割を持った組織であると定義されている.例えば,労働組合,農協や漁協,生活協同組合,NPO(non-profit organization)法人,私立大学,スポーツ協会,宗教団体などが中間組織・団体に含まれる.このうち,近年,特に個人と国家をつなぐ役割が注目されてきたのはNPOである.特定非営利活動促進法(通称,NPO法)1)が1998年に施行されて20年以上が経過した.内閣府によると,2018年10月末現在,51,697団体の認証NPO法人が活動している2).これは全国のコンビニエンスストアに迫る数であり,また,依然として増加傾向にある.
 なぜ,NPO法人は増加し続けるのであろうか.それは,NPO法が施行されて20年以上がたった今でもなお,NPO法人の社会的役割に対する人々の期待が増大し続けているからに他ならない.NPO法人を含むNPOの社会的役割とはいったい何であろうか.まずは,これまでの20年を振り返ってみる.

参考文献

1)e-Gov:特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号).http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC1000000007
2)内閣府NPOホームページ:認証・認定数の遷移.https://www.npo-homepage.go.jp/about/toukei-info/ninshou-seni
3)Weisbrod BA:The Voluntary Nonprofit Sector:An Economic Analysis. Lexington Book, Lexington Mass, 1977
4)Porter ME, et al:The competitive advantage of corporate philanthropy. Harv Bus Rev 80:56-68, 2002
5)柗永佳甫(編):公共経営学とは.公共経営学入門.pp14-15,大阪大学出版会,2015
6)大阪大学NPO研究情報センター:NPO法人財務データベース.現在は同センターの閉鎖に伴って閲覧できない.
7)経済産業研究所:全NPO法人の財務状況等のデータに関する集計分析結果.http://www.rieti.go.jp/jp/projects/npo/report0208_01.pdf
8)柗永佳甫:非営利セクターの商業化とソーシャル・エンタープライズ.塚本一郎,他(編著):ソーシャル・エンタープライズ社会貢献をビジネスにする.pp85-101,丸善,2005
9)Nicholls A, et al(eds):Social Finance. Oxford University Press, Oxford, 2015
10)Social Impact Bond Japanホームページ.http://socialimpactbond.jp/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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