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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻6号

2019年06月発行

文献概要

映画の時間

—生きることは踊ること.踊ることは生きること.—ホワイト・クロウ 伝説のダンサー

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所属機関:

ページ範囲:P.487 - P.487

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 「ホワイト・クロウ」とは,直訳すれば「白いカラス」です.カラスの集団の中では目立つことから,類いまれなる傑出した人物を意味する場合と,集団のはぐれ者を指す場合とがあります.今月ご紹介する「ホワイト・クロウ」の主人公ヌレエフは実在した天才的バレエダンサーで,ある意味,傑出した人物ですが,はぐれ者的な側面もあり,まさに映画の題名がぴったり当てはまる人物です.
 時代は1961年,東西冷戦の真っただ中です.ソビエト連邦時代のKGBでしょうか,ヌレエフが亡命することを知っていたのかと,バレエ教師のプーシキン(レイフ・ファインズ)が厳しく追求されているシーンから映画は始まります.観客は,すでにヌレエフの亡命が成功していることを知ってから,時をさかのぼって彼の半生を追うことになります.一種の倒叙法で,なぜヌレエフは亡命しなければならなかったのかを常に観客は意識することになる,優れた展開だと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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