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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生83巻8号

2019年08月発行

文献概要

視点

ミッドキャリアの今,自分の役割について考えていること

著者: 後藤あや1

所属機関: 1福島県立医科大学総合科学教育研究センター

ページ範囲:P.574 - P.575

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 2017年に社会医学系認定専門医・指導医制度ができたので,私も一応,申請をした.立派な認定証が手元に届いて,すでに2年になる.2017年の時点では,この認定証と,2011年に届いた日本公衆衛生学会認定専門家の認定証との実質的な違いは,あまりよく分かっていなかった.2020年には,新しく日本疫学会認定疫学専門家制度ができる.自分の専門性を明らかにする制度がいろいろと選べるようになり,一方で,当たり前であるが,結局は自分の専門性は自分で選んでつくり上げていくものだという認識が強くなっている.このように制度が整備されていく中で,自分のキャリアについて考えられているのは,非常に幸運であると思う.これから医師や看護師など専門職の免許を取得する学生で,公衆衛生に関心がある人たちは,これら複数の認定制度が初めから目の前に用意されているのだから,かえって迷ってしまうかもしれない.
 認定当初はぴんとこなかった社会医学系認定専門医制度では,修得すべき知識として7つの項目が挙げられている1).そこで,公衆衛生学分野で働く大学教員の仕事内容を大学生に説明するためにこれらの項目を用いたところ(表),説明しやすいだけでなく,自分自身の業務の理解となぜか自信につながった.「制度」というのは単なる枠ではなくて,その枠をどのように活用するかが重要であることを実感できているように思う.

参考文献

1)社会医学系専門医協会:専門研修プログラム整備基準.http://shakai-senmon-i.umin.jp/wordpress/wp-content/uploads/seibikijun180827.pdf
2)日本公衆衛生学会:公衆衛生モニタリング・レポート委員会 平成29/30年度公衆衛生モニタリング・レポート年次報告書.https://jsph.jp/activity/634.pdf
3)日本疫学会:将来構想検討委員会報告書.http://jeaweb.jp/activities/reports/pdf/20180501_shorai.pdf
4)Frenk J, et al:Health professionals for a new century:transforming education to strengthen health systems in an interdependent world. Lancet 376:1923-1958, 2010
5)Kang SK, et al:Working toward gender diversity and inclusion in medicine:myths and solutions. Lancet 393:579-586, 2019
6)Bauman MD, et al:The Women in Medicine and Health Science program:an innovative initiative to support female faculty at the University of California Davis School of Medicine. Acad Med 89:1462-1466, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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