公衆衛生84巻2号

2020年02月発行

特集 保健医療サービスの経済評価—費用対効果評価の応用

費用対効果評価の制度化の意義

著者： 田倉智之¹

所属機関： ¹東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座

ページ範囲：P.82 - P.87

文献概要

【ポイント】
◆2019年度に，医薬品と医療機器を対象にした費用対効果評価の本格導入が始まった．
◆その目的の一つとして，費用対効果の観点から保険収載価格の妥当性を検証することも挙げられている．
◆費用対効果評価の結果に基づいて，引き上げや維持，引き下げなどの価格調整が行われる．

参考文献

1)田倉智之：日本の保険医療における費用対効果評価のあり方．西村周三(監修)：医療白書　2016-2017年版．pp160-169，日本医療企画，2016

2)HUBBARD RW:Field instruction;costs and benefits. Public Health Nurs 44:531-536, 1952

3)Klarman HE:Present status of cost-benefit analysis in the health field. Am J Public Health Nations Health 57:1948-1953, 1967

4)読売新聞：高額新薬のジレンマ…高い効果 がん患者に希望，月260万円保険制度の危機．2016年5月24日　https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160517-OYTET50019/

5)厚生労働省：中央社会保険医療協議会　費用対効果評価専門部会　資料1　費用対効果評価の試行的導入に係る議論の中間報告．2015　https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000095706.pdf

6)厚生労働省：中央社会保険医療協議会　費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会　合同部会(第19回)　議事次第．https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000494007.pdf

7)内閣府：経済財政運営と改革の基本方針2018．https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/decision0615.html

8)田倉智之：“医療経済(83)”　インターベンション必携(専門医試験向け手引書)．pp215-219，日本心血管インターベンション治療学会，2013

9)厚生労働省：中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会(第30回)議事次第　試行的導入に向けた検討(その2)．https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000104723.html

10)田倉智之：セミナー　実地診療で用いられる診断法と治療法　虚血性心疾患治療におけるQOLとコストベネフィット　実地診療への応用．Med Pract 30:1025-1031, 2013

11)田倉智之：透析医療の社会経済的な価値の見える化．医薬ジャーナル50:286-290, 2014