公衆衛生84巻6号

2020年06月発行

特集 次代の公衆衛生を展望する

公衆衛生における大学と学会の役割—教育に注目して

著者： 小林廉毅¹

所属機関： ¹東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学・健康医療政策学

ページ範囲：P.363 - P.367

【ポイント】
◆大学における公衆衛生教育は総じて時間不足であるため，近年の複雑化する健康問題に対応するには十分でない．
◆公衆衛生教育のグローバルスタンダードに対応し，社会人に門戸を開いた公衆衛生大学院の拡充が求められる．
◆公衆衛生専門家には，現任教育やOJT，リカレント教育，学会などによる生涯教育，さまざまな媒体による情報収集など，自分に適した方法を見つけて自己研鑽を行うことが求められる．

参考文献

1)小林廉毅：わが国の公衆衛生学教育の現状と課題．医学教育43:151-155, 2012

2)日本学術会議　基礎医学委員会・臨床医学委員会・健康・生活科学委員会合同医学分野の参照基準検討分科会：報告　大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準　医学分野．2017　http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-h170930.pdf

3)文部科学省：医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)，歯学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の公表について．https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/033-2/toushin/1383962.htm

4)村嶋幸代，他：保健師助産師看護師法の改正と保健師教育の展望　保健師教育の問題点と日本公衆衛生学会「公衆衛生看護のあり方委員会」の活動．日本公衛誌56:692-696, 2009

5)文部科学省：保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正する省令の公布について(通知)．https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kango/1305957.htm

6)21世紀医学・医療懇談会：21世紀の命と健康を守る医療人の育成を目指して(21世紀医学・医療懇談会第4次報告)．https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/009/toushin/990401.htm

7)中央教育審議会：新時代の大学院教育—国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて—答申．https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05090501.htm

8)e-Gov：専門職大学院設置基準．https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415M60000080016

9)日本学術会議　基礎医学委員会・健康・生活科学委員会合同パブリックヘルス科学分科会：提言　わが国の公衆衛生向上に向けた公衆衛生大学院の活用と機能強化．http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t133-8.pdf

10)General Medical Council:What we do and why.　https://www.gmc-uk.org/about/what-we-do-and-why

11)日本公衆衛生学会：公衆衛生専門家認定制度．　https://www.jsph.jp/supportActivities/specialist/index.html

12)社会医学系専門医協会：社会医学系専門医制度について．http://shakai-senmon-i.umin.jp/about/

13)吉川肇子：リスク・コミュニケーション　危機的状況におけるリスク・コミュニケーション．医のあゆみ　239:1038-1042，2011

14)日本環境感染学会：WHOアウトブレイクコミュニケーションガイドライン(日本語版)．http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=346