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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生84巻6号

2020年06月発行

文献概要

連載 リレー連載・列島ランナー・135

看護師・保健師教育における「動機づけ面接」導入の試み

著者: 荒木善光1

所属機関: 1熊本保健科学大学保健科学部看護学科

ページ範囲:P.407 - P.410

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 はじめに
 2019年12月に厚生労働省の医道審議会保健師助産師看護師分科会において,「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」などの改正案が了承された1).これによって,2022年度のカリキュラムより看護師教育は97単位から102単位に,保健師教育は28単位から31単位に総単位数が増加する.
 この見直しのポイントとして看護師教育では,情報通信技術(information and communication technology:ICT)の活用および倫理的判断などに必要な基礎的能力,コミュニケーション能力,臨床判断能力を強化することが挙げられている.また,保健師教育では,疫学データおよび保健統計などを用いて地域をアセスメントし,健康課題への継続的な支援と社会資源の活用などの実践能力,施策化能力,産業保健・学校保健における活動の展開や健康危機管理などで求められる能力を強化することが示されている1)
 これまでの看護基礎教育でも専門分野の学習を深める他,職業に必要な倫理観や責任感,豊かな人間性や人権を尊重する意識を育成していくことが求められていた2).上記のコミュニケーション能力は,看護系人材として求められる基本的な資質・能力の一つであり3),その能力の向上に向けた教育の工夫が必要であると考える.
 本稿ではまず「動機づけ面接」(motivational interviewing:MI)4)5)の特徴について紹介する.その上で,看護師・保健師教育にMIを導入するに至った筆者自身の経験について報告する.

参考文献

1)厚生労働省:医道審議会(保健師助産師看護師分科会).https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-idou_127797.html
2)厚生労働省:看護基礎教育の充実に関する検討会報告書.2007 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0420-13.pdf
3)大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会:看護学教育モデル・コア・カリキュラム〜「学士課程においてコアとなる看護実践能力」の修得を目指した学修目標〜.2017 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/078/gaiyou/__icsFiles/afieldfile/2017/10/31/1397885_1.pdf
4)ウイリアム・R・ミラー,他(著),原井宏明(監訳):動機づけ面接〈第3版〉上.星和書店,2019
5)北田雅子:来談者のやる気を引き出す協働的な面談スタイル 動機づけ面接の魅力.日保健医療行動会誌31:46-51,2016
6)荒木善光:国頭村における発達が気になる子を支える体制づくりの取り組み.沖縄の小児保健43:57-58, 2016
7)石川信克:「Go to the People」の源流を訪ねて.国際保健医療27:111-117, 2012
8)武田丈:PLA(Participatory Learning & Action)によるマイノリティ研究の可能性 人類の幸福のための社会「調査」から「アクション」へ.先端社会研究3:163-207, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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