icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生85巻1号

2021年01月発行

文献概要

連載 リレー連載・列島ランナー・142

精神疾患を抱える患者さんと家族が自分らしく過ごすためのオンライン支援

著者: 加藤美和子1

所属機関: 1株式会社ベータトリップ

ページ範囲:P.49 - P.52

文献購入ページに移動
はじめに
 「うつ病」という言葉の普及に伴い,気分障害をはじめとした精神疾患は,身近に起きる疾患として認識されるようになってきた.多くの人がまず思い浮かべるのは,患者さんのことだろう.実は家族など周囲で心配する人々にとっても大きなライフイベントとなり,支援が必要となるケースもある.
 筆者自身は,長い間家族の立場で精神疾患に関わってきた.家族として何とかしてあげたいと必死になればなるほど衝突は増え,かえって事態を悪くしてしまう.負担感が増してくると,自分ばかりが我慢や苦労を強いられているように感じてしまい,苦しんでいる本人を目にしながらそんな捉え方をする自分に嫌悪する.限界を感じた時に初めて,適度な距離感を保ち,患者さん主体の生活ではなく自分自身の人生と向き合っていく必要があることを痛感した.この経験が,筆者が精神疾患を抱える患者さんと家族が自分らしく過ごすための支援に取り組むきっかけとなった.本稿ではその取り組みを紹介する.

参考文献

1)浦田重次郎:心理教育を中心とした心理社会的援助プログラムガイドライン.p7, 2004 https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/documents/psycho_education_guide_line.pdf
2)Henken HT, et al:Family Therapy of Depression. Cochrane Database of Syst Rev 18:CD006728, 2007
3)香月富士日:うつ病の家族支援・家族心理教育.精神科臨床サービス17:46-51, 2017
4)ベータトリップ:うつ病患者の家族向けコミュニティサイト「エンカレッジ」.https://encourage-s.jp/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら