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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生85巻10号

2021年10月発行

文献概要

特集 社会につながれない 隠されたひきこもり—8050問題

中高年ひきこもりに対する精神医学的支援—対話を中心に

著者: 斎藤環1

所属機関: 1筑波大学医学医療系社会精神保健学

ページ範囲:P.645 - P.649

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【ポイント】
◆ひきこもりは近年,著しい高齢化が進んでいる.ひきこもりは疾患概念ではなく「社会参加をしていない」状態として定義される.
◆精神医学的支援としては,①鑑別診断,②二次症状の治療,③コーディネーター,④精神療法,⑤家族相談がある.
◆支援においては「対話」が重要である.説得でも議論でもアドバイスでもない対話によって,本人は主体性を回復していく.

参考文献

1)内閣府:生活状況に関する調査(平成30年度).https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf-index.html
2)内閣府:若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査(平成22年7月).https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/pdf_gaiyo_index.html
3)厚生労働省:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン,2010(厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究(H19こころ-一般-010)」.https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000147789.pdf
4)斎藤環:改訂版 社会的ひきこもり.PHP研究所,2020
5)斎藤環:中高年ひきこもり.幻冬舎,2020
6)Luo Y, et al:Loneliness, health, and mortality in old age:a national longitudinal study. Soc Sci Med 74:907-914, 2012
7)斎藤環:ひきこもりのライフプラン「親亡き後」をどうするか.岩波書店,2012
8)オープンダイアローグネットワークジャパン,ODNJPガイドライン作成委員会(編著):オープンダイアローグ 対話実践のガイドライン2018年版.https://www.opendialogue.jp/対話実践のガイドライン/.
9)斎藤環:オープンダイアローグとは何か.医学書院,2015
10)Seikkula J, et al:Open Dialogues and Anticipations—Respecting Otherness in the Present Moment. National Institute for Health and Welfare, Tampere, 2014(斎藤環(監訳):開かれた対話と未来.医学書院,2019)
11)Web版ひきこもり新聞:当事者手記—オープンダイアローグ体験記(文:木村ナオヒロ),2018年4月6日.http://www.hikikomori-news.com/?p=3022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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