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特集 健康問題の解決のための経済学—ナッジ等の可能性を探る
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著者: 「公衆衛生」編集委員会
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ページ範囲:P.791 - P.791
ナッジ理論は,米国のリチャード・セイラー氏が確立したものです.セイラー氏は,ナッジ理論により2017年にノーベル経済学賞を受賞しました.理論の特徴については詳しくは本特集をご覧いただければと思いますが,わが国でもこの理論に基づき,厚生労働省が健康診断やがん検診の受診率を向上させる施策を推奨しているほか,環境省も低炭素社会に向け,国民一人一人の行動変容を促そうとしています.人間は「変化を好まない」「ついつい先延ばしする」「周囲の目が気になる」などの特性を持ち,常に合理的な行動をするとは限りません.人々に対する働き掛け方,呼び掛け方,さらに情報の提供の仕方などを工夫することで,強制しなくてもそっと後押しする(nudge;肘でつつく)だけで,人々はより良い選択をすることが明らかにされています.
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