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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生85巻6号

2021年06月発行

文献概要

連載 クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション・4

緊急時の不確実なことが多いなかでの情報提供に,日々の記者会見が欠かせない理由

著者: 蝦名玲子

所属機関:

ページ範囲:P.416 - P.420

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はじめに
 先月号では,緊急時ならではの情報提供の特徴として,1)厳しい時間的な制約があり,2)情報も不十分ななかで,リスクやその管理方法についての説明をしなくてはならず,3)加えて,時間の経過とともに変化する状況に合わせて,リスク説明の内容も変わることを挙げた.
 こうした特徴がありながらも,COVID-19パンデミックの初動期に素晴らしいクライシス・緊急事態リスクコミュニケーション(Crisis and Emergency Risk Communication:CERC)を取ったことで,9割近くの国民の信頼を獲得し1),スポークスパーソンがアーティスト達から数々のラブソングを贈られたニュージーランド政府を例に,「CERCの6原則」を紹介した.
 わが国でもこのようにCERCを成功させたいものである.ニュージーランドのケースから,記者会見(ブリーフィングを含む)を有効に活用していたことが分かるが,今月号では,緊急時に日々の記者会見が欠かせない理由とスポークスパーソンの選定基準について,掘り下げていこう.

参考文献

1)1 news:Poll:88% of Kiwis trust Government's coronavirus response, vastly higher than other nations. 2020年4月8日 https://www.tvnz.co.nz/one-news/new-zealand/poll-88-kiwis-trust-governments-coronavirus-response-vastly-higher-than-other-nations
2)蝦名玲子:クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション(CERC):危機下において人々の命と健康を守るための原則と戦略.大修館書店,2020
3)サーベイリサーチセンター:【緊急調査】新型コロナウイルス感染症に関する国民アンケート.2020年3月10日 https://www.surece.co.jp/research/3282/
4)Petty RE, et al:Communication and Persuasion:Central and Peripheral Routes to Attitude Change. Springer-Verlag, NY, 1986
Frangsmyr T(ed):Les Prix Nobel 2002. pp449-489, Almqvist & Wiksell International, Stockholm, 2003
6)蝦名玲子:ヘルスコミュニケーション:人々を健康にするための戦略.ライフ出版社,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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