公衆衛生85巻9号

2021年09月発行

特集 児童虐待予防に求められる医療・保健の役割—これ以上痛ましい事件を繰り返さないために

子どもの心の傷を癒やす家庭養護推進に必要な医療・保健の役割

著者： 三輪清子¹

所属機関： ¹明治学院大学社会学部

ページ範囲：P.591 - P.595

【ポイント】
◆家庭養護推進には，里親制度と養子縁組制度の正しい制度理解が重要である．
◆里親家庭に委託された子どもの背景にはさまざまな状況があることを理解する．
◆医療機関をはじめとした子どもと関わる機関と福祉の連携が，家庭養護推進には欠かせない．

参考文献

1)新たな社会的養育の在り方に関する検討会：新しい社会的養育ビジョン．2017　https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11905000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Kateifukushika/0000173865.pdf

2)厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課：社会的養育の推進に向けて(令和2年10月)．2020　https://www.mhlw.go.jp/content/000711002.pdf

3)三輪清子：なぜ里親委託は伸展しないのか？—里親登録者不足仮説と里親委託児童限定化仮説．社会福祉学 56:1-13, 2016

4)岩崎美枝子：2008年里親制度改正と民間機関の役割および養子縁組里親の諸問題．新しい家族 52:123-138, 2009

5)厚生労働省子ども家庭局厚生労働省社会援護局障害保健福祉部：児童養護施設入所児童等調査の概要(平成20年2月1日現在)．2020　https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/000595122.pdf

6)庄司順一：虐待を受けた子どもの里親養育．そだちの科学 2:89-94, 2004

7)庄司順一：里親養育とアタッチメント．乳幼児医学・心理学研究 16:35-42, 2007

8)森和子：虐待を受けた子どもの受け皿としての里親制度．小児科臨床 60:773-778, 2007

9)山口敬子：要養護児童のアタッチメント形成と里親委託制度．福祉社会研究 8:65-79, 2007