公衆衛生85巻9号

2021年09月発行

特集 児童虐待予防に求められる医療・保健の役割—これ以上痛ましい事件を繰り返さないために

行政の援助を拒む保護者への法的アプローチ—児童相談所の法的介入の現状と課題

著者： 池田清貴¹

所属機関： ¹くれたけ法律事務所

ページ範囲：P.596 - P.600

文献概要

【ポイント】
◆行政の援助を拒む保護者への対応として，立入調査，臨検・捜索，一時保護，長期分離のための家庭裁判所の承認審判などがある．
◆医療ネグレクトのケースでは，親権停止の活用が有効であるが，一刻を争う事案ではその必要がない場合もある．
◆子どもの権利を基盤とする児童福祉，親権制度の在り方が議論されている．

参考文献

1)家裁判例—民事(家事事件)，東京家裁平28.6.29審判．判例タイムズ 1438:250, 2017

2)家裁判例—民事(家事事件)，東京家裁平27.4.14審判．判例タイムズ 1423:379, 2016

3)法制審議会親子法制部会：民法(親子法制)等の改正に関する中間試案．令和3年2月

4)商事法務(編)：家族法研究会報告書〜父母の離婚後の子の養育の在り方を中心とする諸課題について〜．p43，令和3年2月