文献詳細
文献概要
予防と臨床のはざまで
さんぽ会夏季セミナー2021〜中小企業の産業保健
著者: 福田洋1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座
ページ範囲:P.82 - P.82
文献購入ページに移動森口氏からは「中小企業の産業保健」と題して、人・金・時間のない中小企業の産業保健の特徴と地域産業保健センターなどの嘱託産業医だけで担いきれない現状に対し、保健師や経営者も含む多職種連携の必要性や、問題探しではなく改善への取り組みに焦点を当てる活動(参加型の職場ドックなど)の重要性について紹介がありました。また経営者や従業員との信頼関係には、丁寧な仕事はもちろんのこと、衛生委員会での積極的な情報提供や巡視時の産業医の腕章での認知度向上の工夫など、「種を播きつつ風を待つ」姿勢が大事とお話しされました。また全労働者に産業保健サービスが提供されているオランダの事例や、ICOHの科学分科会(small-scale enterprises and the informal sector)やUSE(understanding small enterprises)などの国際学会で議論されている内容も解説され、中小企業の産業保健活動について、さらなる取り組みの活性化、関係団体の連携強化が期待されるとお話しいただきました。
掲載誌情報