公衆衛生86巻11号

2022年11月発行

特集 “人が受ける最期の医療”と公衆衛生—— 一人の「死」を万人の「生」につなぐ

東京都監察医務院の取り組みと死因究明体制の在り方

著者： 林紀乃¹

所属機関： ¹東京都監察医務院

ページ範囲：P.916 - P.925

ポイント
◆東京都監察医務院は、東京23区内の異状死を365日毎日検案、解剖する施設である。
◆近年異状死数は著増し、55歳以上が全体の80%を占め、夏場には1日で100件以上の異状死の検案を経験することがある。
◆監察医務業を遂行し世の中に還元していくことで、世間から喜ばれる監察医を目指す。

参考文献

1）東京都監察医務院：東京都監察医務院50年史．8-9頁，東京都監察医務院，1998

2）佐藤文子：アメリカ合衆国における検視・剖検システムについて．法医の実際と研 50: 281-285, 2007

3）日本法医学会：異状死ガイドライン．日法医誌 48: 357-358, 1994

4）東京都監察医務院：事業概要（令和3年版）．24頁，2021　https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kansatsu/jigyougaiyou/03jigyougaiyou.html（2022年6月21日閲覧）

5）東京都監察医務院：ホームページ．　https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kansatsu/index.html（2022年6月21日閲覧）

6）福永龍繁：東京都監察医務院の現状．公衆衛生 69: 282-287, 2005

7）福永龍繁：監察医から見た熱中症．環境省 平成27年度熱中症対策に係るシンポジウム，2015

8）福永龍繁，他：硫化水素自殺事例の分析．平成20年度厚生労働科学研究費補助金 ネット世代の自殺関連行動と予防のあり方に関する研究 総括・分担研究報告書，7-20頁，2009

9）福永龍繫，他：監察医務院における異状死にみられる薬物乱用・依存等の実態に関する調査研究．平成25年度厚生労働省科学研究費補助金 「脱法ドラッグ」を含む薬物乱用・依存状況の実態把握と薬物依存症者の「回復」とその家族に対する支援に関する研究 平成25年度版研究報告書，8頁，121-125頁，2014

10）木村聡子：COVID-19の肺病変．病理と臨 39: 1224-1230, 2021

11）Suzuki H, et al: Characteristics of sudden bath-related death investigated by medical examiners in Tokyo, Japan. J Epidemiol 25: 126-132, 2015

12）東京都監察医務院：東京都監察医務院紀要Ⅱ（開院20周年記念号）．65-77頁，東京都監察医務院，1970