公衆衛生86巻3号

2022年03月発行

特集 ペットと人と環境と—共生社会を目指す（=^・^=）

ペットの多頭飼育問題の背景と対応策

著者： 打越綾子¹²

所属機関： ¹成城大学法学部 ²環境省「社会福祉施策と連携した多頭飼育対策に関する検討会」

ページ範囲：P.230 - P.236

ポイント
◆多頭飼育に陥る飼い主は、社会的孤立や家族の喪失、経済的困窮や認知症等の課題を抱えていることが多い。
◆問題の解決のためには、飼い主の生活、動物の飼育状態、周辺の生活環境の3点を同時並行で改善する必要がある。
◆環境省と厚生労働省が協力して検討会議を設置し、2021年3月に社会福祉施策と連携した多頭飼育対策ガイドラインを策定した。

参考文献

1）環境省自然環境局：動物の管理と適切な管理—人と動物の共生をめざして「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン〜社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて〜」．　https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/r0303a.html（2021年12月7日閲覧）

2）横山章光：人間動物関係学から見た「多頭飼育」問題．ヒトと動物の関係学会誌 30: 34-37, 2011

3）毎日新聞：くらしナビ（どうぶつAnimal）「世話せず繁殖も放置」．　2009年12月15日号

4）田中亜紀：多頭飼育崩壊と獣医師の役割．Infovets 198号, 2019.3.15

5）岸恵美子，他（編）：セルフ・ネグレクトの人への支援—ゴミ屋敷・サービス拒否・孤立事例への対応と予防．中央法規，2015

6）環境省：社会福祉施策と連携した多頭飼育対策推進事業アンケート調査結果（詳細）．　https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/renkei/r01_04/ref01.pdf（2021年10月11日閲覧）

7）打越綾子：動物問題と社会福祉政策．ナカニシヤ出版，2022年3月刊行予定