公衆衛生86巻3号

2022年03月発行

特集 ペットと人と環境と—共生社会を目指す（=^・^=）

災害時におけるペットの救護対策の現状—地方自治体の取り組みと課題

著者： 平井潤子¹²

所属機関： ¹特定非営利活動法人ANICE（アナイス） ²公益社団法人東京都獣医師会事務局

ページ範囲：P.259 - P.266

ポイント
◆ペット同行避難対策は、動物愛護・動物福祉の視点だけではなく、飼い主らの人命保護、地域住民の財産、地域の衛生・自然・感染症・避難所内の秩序などへの対策の視点も必要。
◆自治体での検討はペット関連部門においては徐々に進んでいるが、人の災害対策部門や避難所運営組織の理解や協働が課題。
◆飼い主自身も災害に対する心構えと準備が重要。

参考文献

1）首相官邸：災害に対するご家庭での備え〜これだけは準備しておこう！〜　https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html（2021年12月20日閲覧）

2）中央防災会議・防災対策推進検討会議・南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ：南海トラフ巨大地震対策について（最終報告），p 5（3）超広域にわたる被害への対応．平成25年3月　http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/pdf/20130528_honbun.pdf（2021年12月20日閲覧）

3）環境省：災害時におけるペットの救護対策ガイドライン．　https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html（2021年12月20日閲覧）

4）環境省：人とペットの災害対策ガイドライン．　https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html（2021年12月20日閲覧）

5）静岡県：避難所のペット飼育管理ガイドライン．平成29年3月　http://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/37/pet.pdf（2021年12月20日閲覧）

6）Animal Navigation In Case of Emergency: ANICE（アナイス）—動物とともに避難する．　http://www.animal-navi.com/（2021年12月20日閲覧）

7）埼玉県：ペット同行避難ガイドライン（避難所運営編）．　https://www.pref.saitama.lg.jp/a0706/doubutu/doukouhinanguideline.html（2021年12月20日閲覧）

8）新潟県：市町村・避難所運営者のためのペット同行避難所運営マニュアル（2021年）．　https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/270644.pdf（2021年12月20日閲覧）

9）平井潤子，他：災害時における家庭動物共棲住環境のQOL改善を目的とした建築技術・システムに関する基礎的検討　その2—被災動物保護施設の事例から学ぶ段階的設置の考え方．大会学術講演会研究発表論文集，日本建築仕上学会，2013年10月

10）平井潤子：災害時におけるペット救護対策に関する考察−現場での事例に学ぶ課題と検討及びその解決−．獣医公衛研 16(2)：16-21, 2014

11）平井潤子：大規模災害の発生に備えた段階的ペットの保護環境（場所・施設等）に関する考察．令和元年度　関東・東京合同地区三学会〈小動物〉演題，2019年9月