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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生86巻5号

2022年05月発行

文献概要

特集 地域で進める歯科口腔保健・医療提供体制の構築

歯科口腔疾患予防行動の行動経済学的メカニズムと対策

著者: 平井啓1

所属機関: 1大阪大学大学院人間科学研究科健康・医療心理学研究室

ページ範囲:P.418 - P.423

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ポイント
◆歯科口腔疾患予防行動においては、「損失回避」や「現在バイアス」などが検診受診などの行動変容の阻害要因となっている。
◆歯科口腔疾患予防行動の行動変容のためには、行動経済学的バイアスを考慮したナッジ構築を行う必要がある。
◆ナッジには、検診の受診勧奨時に、受診方法の図示や将来の疾患リスクを伝えながらも、歯垢の蓄積など現在の損失につなげたメッセージを使用するなどの工夫を含むことができる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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