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連載 All about 日本のワクチン・10
髄膜炎菌ワクチン
著者: 神谷元1
所属機関: 1国立感染症研究所感染症疫学センター
ページ範囲:P.1038 - P.1041
文献購入ページに移動2013年4月に髄膜炎菌による髄膜炎および敗血症は「侵襲性髄膜炎菌感染症(invasive meningococcal disease: IMD)」として全数把握の5類感染症(2015年5月21日より、届出方法が診断後「7日以内」から「直ちに」、さらに2016年11月21日以降、血液、髄液以外に「その他無菌部位」から病原体が検出された症例も届出対象へ変更)となり、国内のIMDのより正確な疫学が把握できるようになった。2013年4月1日から2023年3月31日までに発生動向調査に報告されたIMDの診断年月別推移を図11)に示す。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行前までは年間20〜40例程度の報告があったが、流行後患者数は減少している(2020年13例、2021年1例、2022年8例)。男性が55%(150/274)、年齢中央値は55歳(四分位範囲32-71歳)、15歳以上の症例が全体の91%(248/273、年齢不明の1例を除く)であり、小児の割合は少なくなっている。報告時点での死亡は33例で致命率は12%(33/274)となっている1)。
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