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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生87巻12号

2023年12月発行

文献概要

連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・7

子どもと歯科衛生の近代・1—昭和初期における学校歯科医の取り組み

著者: 宝月理恵1

所属機関: 1お茶の水女子大学基幹研究院・文教育学部人間社会科学科

ページ範囲:P.1266 - P.1269

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はじめに
 今号からは歯科衛生(口腔衛生)を事例として、昭和初期における公衆衛生の歴史の一端を紹介していきたい。ここで主題とするのは、子ども、特に児童にとっての歯科、とりわけ学校歯科である。学校歯科の歴史には、専門家、一般の人々(子どもとその家族)、モノ(歯ブラシや歯磨き粉)、環境を含めた公衆衛生の成り立ち、あるいは限界までもが明瞭に表れており、本連載のトピックとして興味深い事例となるのではないだろうか。
 人間は生まれたときには歯はないが、乳歯が生え始める頃から生えそろう頃にかけて、自治体の「乳幼児健康診査」や「就学時(就学前)健康診断」で歯の健康診断を受ける機会がある。これが、乳幼児が歯科医と接する最初の機会である場合も多いだろう。そして小学校に上がると学校歯科検診を毎年受診することになる。学校歯科検診は「学校保健安全法(旧学校保健法)」で規定されている児童生徒の健康診断であり、これを担うのが学校歯科医である。今号ではこの学校歯科医の成り立ちとその実例を紹介したい。

参考文献

1)宝月理恵:近代日本における衛生の展開と受容.東信堂,2010
2)三島道良:学校衛生学(第三版).博文館,1896
3)宝月理恵:大正から昭和初期における学校口腔衛生の確立:歯科学の専門職化の観点から.年報社会学論集 21:83-94, 2008
4)奥村鶴吉:創刊の辞.学校歯科衛生 1:1, 1934
5)堀内清:京都市における学校歯科.学校歯科衛生 1:5-20, 1934
6)信田巌:浅草区学校歯科施設に就て.学校歯科衛生 1:21-45, 1934
7)全国学校歯科医大会.学校歯科衛生 1:47-56, 1934
8)山川建:祝辞.学校歯科衛生 1:2, 1934
9)東京市歯科医師会が展覧会場にて配布セル宣伝『ビラ』.歯科学報 26(1):49, 1921(文献1の表紙に採録されている。)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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