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連載 All about 日本のワクチン・3
インフルエンザワクチン—成人を中心に
著者: 池松秀之12
所属機関: 1日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班 2(株)リチェルカクリニカ
ページ範囲:P.246 - P.249
文献購入ページに移動インフルエンザの発生動向は国が行う発生動向調査により、定点観察が継続されている。毎年冬季に流行が繰り返されている。流行しているのは、A型ではA(H1N1)pdm09亜型とA(H3N2)亜型の2つの亜型、B型では山形系統とビクトリア系統の2系統である。流行するウイルスのパターンは毎年のように変わっており、予測をすることは難しい(図1)1)。日本では、新型コロナウイルス感染症の流行が見られるようになった後、インフルエンザの大きな流行は見られていない。最後の2019-20年シーズンはほとんどがA(H1N1)pdm09型で、2020年の3月以降から2022年10月現在まで、どの型、亜型も国内で流行していない。
2021/22年シーズンに北米ではA型の流行が見られ、亜型が判定されたものはほぼA(H3N2)であり、南半球のオーストラリアなどオセアニア地区でも2022年7月からA型の流行が見られ、亜型が判定されたものはほぼA(H3N2)であった2)。国内でも既に少数ながら分離されているウイルスはほぼ全てがA(H3N2)である3)。2022/23年シーズンに日本で再び流行が起こる場合には、A(H3N2)が主体となることが予測されるが、他の型・亜型の流行も否定できない。
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