公衆衛生87巻8号

2023年08月発行

連載 日本の災害と公衆衛生——過去・現在・未来・10

避難所、在宅避難者

著者： 宮﨑美砂子¹ 関口貴恵²

所属機関： ¹千葉大学大学院看護学研究院 地域創成看護学講座 ²千葉大学大学院看護学研究科 共同災害看護学専攻

ページ範囲：P.827 - P.832

はじめに
　新型コロナウイルス感染症のまん延を契機に、災害発生時の分散避難が推奨されるようになった（内閣府2020）。被災者の避難場所の多様化は、3密の回避、プライバシー等が確保される一方で、被災者の状況把握を困難にさせ、被災者の生活環境や受援に格差をもたらすことが懸念される。避難所に求められる機能・役割が変化してきている今日、本稿は、避難所の課題およびその機能・役割について、在宅避難者等の避難所外避難者への支援拠点としての意味も含め概説する。

参考文献

1）山崎栄一：避難所外避難者への支援と課題—法制度からの検証．日本防火・危機管理促進協会（編）：避難所外避難者等への避難生活支援にかかわる諸問題（危機管理レビュー）．Vol. 13，23-33頁，日本防火・危機管理促進協会，2022

2）山本千恵：避難の多様化に伴う課題と職能集団による支援の可能性．日本防火・危機管理促進協会（編）：避難所外避難者等への避難生活支援にかかわる諸問題（危機管理レビュー）．Vol. 13，13-21頁，日本防火・危機管理促進協会，2022

3）立木茂雄，他：避難所に長期間取り残される被災者への支援と課題．日本防火・危機管理促進協会（編）：避難所外避難者等への避難生活支援にかかわる諸問題（危機管理レビュー）．Vol. 13，61-70頁，日本防火・危機管理促進協会，2022

4）村上真理：避難所外避難者への支援と課題．日本防火・危機管理促進協会（編）：避難所外避難者等への避難生活支援にかかわる諸問題（危機管理レビュー）．Vol. 13，53-60頁，日本防火・危機管理促進協会，2022

5）諸橋和行：8年間の経験から避難所運営のあり方を考える．日本防火・危機管理促進協会（編）：避難所のあり方—避難者・避難生活にかかわる実態と課題（危機管理レビュー）．Vol. 12，1-11頁，日本防火・危機管理促進協会，2021

6）山本啓一：コロナ禍で変わる避難所—広域・連携・DXが推進役．日経グローカル 431：6-14, 2022