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連載 日本の災害と公衆衛生——過去・現在・未来・11
災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)
著者: 服部希世子1 内田勝彦23
所属機関: 1熊本県人吉保健所 2大分県東部保健所 3全国保健所長会
ページ範囲:P.934 - P.940
文献購入ページに移動東日本大震災では多くの自治体職員も被災する中で行政ニーズが急増し、自治体そのものが機能不全に陥った。その結果、大規模な公衆衛生支援活動を現場で指揮調整することが困難になり、被災者への支援活動が立ち遅れたことが課題となった。この教訓を踏まえて創設され、被災自治体が担う保健・医療のマネジメントを支援する、行政職員から構成されるチームが「災害時健康危機管理支援チーム(disaster health emergency assistance team: DHEAT)」である。
2017年に国通知1)が発出され、都道府県は「保健医療本部」を設置し、また、2次医療圏を管轄する保健所は市町村と連携し、保健医療活動の指揮・調整を行うことが示された。その後、保健医療分野に加えて福祉分野との連携の重要性が高まり、2022年7月国通知2)により保健医療調整本部が「保健医療福祉調整本部」となった。この保健医療福祉調整本部や保健所が行う保健医療福祉活動のマネジメントを支援することがDHEATの役割である。そして、DHEAT活動の理念は、被災都道府県等のマネジメント支援を通して、防ぎ得た災害死と二次健康被害を最小限に抑えること、また、住民ができる限り早く通常の生活を取り戻すこと3)である。
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