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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生88巻2号

2024年02月発行

文献概要

連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・9

子どもと歯科衛生の近代・3—果たして歯磨きは習慣化されたのか

著者: 宝月理恵1

所属機関: 1お茶の水女子大学基幹研究院・文教育学部人間社会科学科

ページ範囲:P.226 - P.230

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はじめに
 1920年代から30年代にかけて、学校、家庭、診療所、街頭、店頭、展覧会などの場において、口腔衛生に関する言説が、繰り返し産出されていった。いわば「口腔衛生言説の爆発」が起こったといえる*1。しかし、口腔衛生言説の爆発という事態が確認できたからといって、歯磨きという衛生規範・衛生規律が一般の人々に浸透したといえるだろうか。歯磨グッズの売り上げは、歯磨きという習慣が浸透した証左になるのだろうか。「子どもと歯科衛生の近代」連載最終回となる今号では歯磨きの習慣化について検討する。

参考文献

1)赤川学:セクシュアリティの歴史社会学.56頁,勁草書房,1999
2)宝月理恵:近代日本における衛生の展開と受容.250頁,東信堂,2010
3)榊原勇吉:横浜市一本松小学校に於ける学校歯科施設並に其の成績.学校歯科衛生 7:56-83, 1940
4)堀内清:京都市に於ける学校歯科.学校歯科衛生 1:5-20, 1934
5)宝月理恵(著):幸福なる理想の洗面台.服部伸(編):「マニュアル」の社会史:身体・環境・技術.人文書院,2014
6)信田巌:浅草区に於ける学校歯科施設に就て.学校歯科衛生 1:21-45, 1934
7)古田重男,他:北濃一小都市に於ける児童晩歯刷子使用徹底に関する調査研究.学校歯科衛生 3:25-55, 1936
8)関口篤:幼稚園から大学にまで実施した口腔衛生教育の実験例.学校歯科衛生 5:52-56,1938
9)宝月理恵:幼稚園から大学にまで実施した口腔衛生教育の実験例.255-256頁
9)宝月理恵:幼稚園から大学にまで実施した口腔衛生教育の実験例.273頁
11)厚生労働省:平成28年歯科疾患実態調査結果の概要.歯や口の清掃状況. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf(2023年12月1日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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