文献詳細
文献概要
連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第九編
著者: 石川信克12
所属機関: 1公益財団法人結核予防会 2結核予防会結核研究所
ページ範囲:P.342 - P.345
文献購入ページに移動地域保健(コミュニティー・ヘルス)および結核の専門家としての仕事が始まった。各地域に散在する傘下23のNGOクリニックが行っていたコミュニティーヘルス支援と活動の中に結核対策を入れる仕事だ。
当時(1980年代初期)のバングラデシュの人口は9千万人、人口密度は対平方km600を越えて世界最高位、出生率は千対33で人口増加率は2%を超え、25年で倍増が予測された。乳児死亡率は出生千対130と高かった(当時日本は7、最近の当国では30と改善)。平均寿命は50歳、一人当たりのGNPは200 USドル(日本の50分の1)、成人識字率は22%、人口の46%が15歳以下で、子どもの半数は何らかの栄養失調といわれていた。これらの保健指標は、世界的に見ても最悪の状態であった。
掲載誌情報