公衆衛生88巻4号

2024年04月発行

特集 現代におけるメンタルヘルスの問題とその対応の課題—精神疾患の国際分類の改正を踏まえて

若年者のメンタルヘルスの課題とその対応に対する社会の課題

著者： 松本ちひろ¹

所属機関： ¹日本精神神経学会

ページ範囲：P.382 - P.388

ポイント
◆ICD-11は神経発達的な理解をもとに知的障害、ASD、ADHD、学習症などを含む疾患群をまとめ、神経発達症群の位置付けとした。
◆ICD-10でF9に収載されていた診断カテゴリは、病因や臨床像の観点からより適切とされる疾患群に再分類された。
◆ICD-11では各診断カテゴリに「発達段階別の臨床像」の項目を設け、各疾患の年代別の症状表出の特徴に触れている。

参考文献

1）World Health Organization: The ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics. 2018　https://icd.who.int/browse11/l-m/en（2023年12月7日閲覧）

2）World Health Organization: The ICD-10 Classification of Mental Behavioural Disorders. World Health Organization, Geneva, 1992（融道男，他監訳：ICD-10 精神および行動の障害—臨床記述と診断ガイドライン　新訂版．医学書院，2005）

3）松本ちひろ：児童思春期の精神障害．精神医 61: 301-309, 2019