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連載 All about 日本のワクチン・16
BCGワクチン
著者: 徳永修1
所属機関: 1国立病院機構南京都病院小児科
ページ範囲:P.425 - P.428
文献購入ページに移動わが国は欧米先進国に比して高い結核罹患状況にあるが、2021年に初めて結核罹患率(人口10万人当たりの新登録結核患者数)が10を下回り、結核低まん延国の仲間入りを果たした。2022年も低まん延の水準を維持し、罹患率は8.2へと低下した1)。わが国の結核疫学状況の特徴として、高齢者症例の占める割合が多いことが挙げられ、2022年には65歳以上が約70%、80歳以上が約45%を占めた。また、欧米先進国と同様に外国出生患者の占める割合が増加しており、全年齢では新登録例の約12%を、20〜29歳では75%以上を外国出生者が占めた。小児(0〜14歳)における結核罹患状況は極めて低い状況で推移しており、2006年に初めて年間新登録患者数が100例を下回り、近年は50例前後で推移してきたが、2021年以降は30例前後へと減少している(当該年齢の結核罹患率0.2)(図1、表1)1)。少数例ではあるが、結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核例の登録は続いている。
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