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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生88巻4号

2024年04月発行

文献概要

連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・11

入浴と清潔をめぐる近代史・2—欧米の公衆浴場運動

著者: 川端美季1

所属機関: 1立命館大学衣笠総合研究機構生存学研究所

ページ範囲:P.429 - P.432

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はじめに
 前号では、日本の銭湯の歴史と銭湯がどのように見なされてきたのか、『大日本私立衛生会雑誌』の記述を中心に取り上げた。その中で、明治30年以降に、欧米との比較により「風呂好きな日本人」が清潔であると何度も主張されたこと、そして同時期に銭湯の湯水が不潔であるという注意が向けられ、「西洋風」の浴場が推奨されたことや、水質調査が行われたことを紹介した。今回は、明治後期から衛生専門家や知識人たちが日本と比較した欧米の状況について、歴史を振り返ってみたい。

参考文献

1)Tiltman AH: Public Baths and Wash-houses. Harrison & Sons, St. Martin's Lane, 1895
2)藤浪剛一:東西沐浴史話.人文書院,1931
3)Glassberg D: The design of reform: the public bath movement in America. Am Stud(Lawrence)20: 5-21, 1979
・キャスリン・アシェンバーグ(著),鎌田彷月(訳):図説 不潔の歴史.原書房,2008
・ジュリア・クセルゴン(著),鹿島茂(訳):自由・平等・清潔 —— 入浴の社会史.河出書房新社,1992
・藤浪剛一:東西沐浴史話.人文書院,1931
・Glassberg D: The design of reform: the public bath movement in America. Am Stud(Lawrence)20: 5-21, 1979
・川端美季:Public Bath Movementと近代日本の公設浴場設立:身体観・道徳観に注目して.生命倫理 25: 133-140, 2015
・川端美季:近代日本の公衆浴場運動.法政大学出版局,2016
・ヴァージニア・スミス(著),鈴木実佳(訳):清潔の歴史 —— 美・健康・衛生.167-189頁,東洋書林,2010
・Tiltman AH: Public Baths and Wash-houses. Harrison & Sons, St. Martin's Lane, 1895
・ジョルジュ・ヴィガレロ(著),見市雅俊監(監訳):清潔になる〈私〉 —— 身体管理の文化誌.同文舘出版,1994
・ワーナー・アレックス,他(著),松尾恭子(訳):写真で見るヴィクトリア朝ロンドンの都市と生活.原書房,2013
・Williams MT: Washing “The Great Unwashed”: Public Baths in Urban America, pp1840-1920, Ohio State University Press, Columbus, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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