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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生88巻6号

2024年06月発行

文献概要

連載 All about 日本のワクチン・18

麻しん風しん混合ワクチン—小児を中心に

著者: 原木真名1

所属機関: 1まなこどもクリニック

ページ範囲:P.628 - P.631

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1.当該疾患の発生動向
1)麻疹
 麻疹は古くから「命定め」といわれて恐れられてきた疾患である。日本では2006年から麻しんワクチンの2回接種が導入され、さらに2008年から5年間の時限措置で、3期4期のワクチン接種を行うなど、麻疹排除に向けた取り組みがされた結果、2015年に世界保健機関(World Health Organization: WHO)により麻疹排除が認定された。その後も海外からの輸入例による麻疹の小流行が見られ、2019年には744人の報告があったが、COVID-19の流行で海外との往来がなくなった2020〜2022年は1桁の発生数であった。2023年になり、海外からの輸入例が再び増加している。海外では、COVID-19の流行により、東南アジア地域、アフリカ地域を中心にワクチン接種率が低下し、麻疹の患者が激増している。今後、国内でも、麻疹の輸入例による流行が懸念される。

参考文献

1)厚生労働省:麻しん風しん予防接種の実施状況. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/hashika.html(2024年4月10日閲覧)
・岡部信彦,他:予防接種に関するQ&A集.181-209頁,一般社団法人日本ワクチン産業協会,2023
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構:ミールビック添付文書.2022年8月 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/630144_636940CD1029_1_27(2024年2月22日閲覧)
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構:乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」添付文書.2022年11月 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400256_636940CD2025_1_21(2024年2月22日閲覧)
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構:はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」添付文書.2022年4月 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/430574_636940CD3048_1_04(2024年2月22日閲覧)
・国立感染症研究所:感染症発生動向調査(IDWR).2024年1月5日 https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/222-disease-based/ma/measles/idsc/trend/575-measles-doko.html(2024年1月14日閲覧)
・国立感染症研究所:海外の麻疹—2022年の流行状況について.IASR 44: 136-137, 2023 https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2614-related-articles/related-articles-523/12264-523r01.html(2024年2月22日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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