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投稿・原著
北海道におけるピアサポーター雇用経験を有する障害福祉サービス事業所の実態調査の結果と課題の検討
著者: 横山和樹12 小笠原那奈3 小笠原啓人24 小川賢一25 窪田優美菜6 木村智之7 中島邦宏8 稲垣麻里子24 矢部滋也24
所属機関: 1札幌医科大学保健医療学部作業療法学科 2一般社団法人北海道ピアサポート協会 3就労継続支援A型事業所「なかま」真栄 4自立訓練(生活訓練)PEER+design 5札幌医科大学保健医療学部看護学科 6多機能型事業所ソウアライブ 7居宅介護事業所ピリカポッケ 8ぽかぽかハートのつどい
ページ範囲:P.641 - P.646
文献購入ページに移動ピアサポートとは、同じ問題や環境を体験した人が相互に支え合うことを指す1)。ピアサポートは、専門職による支援では得がたい安心感や自己肯定感を得られることが特徴であり2)、これまでに身体障害領域、知的障害、精神障害、高次脳機能障害、難病などのあらゆる障害領域において、その有効性が報告されている3)。特に、精神障害分野におけるメタ解析では、ピアサポート介入群は対照群と比較してリカバリーに関わるスコアの改善がみられることが示されている4)。
わが国では2021(令和3)年度より障害福祉サービスにおけるピアサポート体制加算・ピアサポート実施加算が開始された5)。今後は、ピアサポーターが福祉の現場で雇用され、障害当事者に対する相談支援・地域移行支援・就労継続支援などにおいて活躍することが期待される。一方で、ピアサポートに関連する加算の対象となる事業所のうち、すでにピアサポーターを雇用している障害福祉サービスの事業所も存在する。これから増えていくピアサポーターの雇用に向け、これらの事業所でピアサポーターがどのような業務内容を担っているのか、またピアサポーターを雇用する際に生じる課題やその配慮を把握する必要がある。そこで、ピアサポーターを雇用した経験を有する障害福祉サービス事業所の実態を明らかにするために、ピアサポーターの業務内容、および雇用における課題と配慮に関わる質問紙調査を実施した。なお、本調査におけるピアサポーターは、「疾病や障害の経験を持つ方が、その経験を活かしながら、金銭的報酬を得て、疾病や障害の経験を持つ方の支援を行うこと」と定義した。
参考文献
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