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特集 第4回日本公衆衞生學會 赤痢討論會
赤痢の化學療法
著者: 長岐佐武郞12
所属機関: 1東京都立荏原病院 2昭和醫科大學
ページ範囲:P.17 - P.21
文献購入ページに移動私共は昭和16年に赤痢の化學療法に手を染めたのでありますが,以來今日までに,これに關聯して,いろいろな問題を迎え且つ送つてまいりました。まず第一に,その當時はスルフア劑のみで足りておりまして,しかもその效力は,私共が始めました頃には非常なものでありました。ところが第一に1941年にMarshallは「一體赤痢は腸管内の感染であるが故に,これに對する藥劑はスルフアピリヂンのような水に難溶性のものよりも,水に易溶性でしかも腸管内に高い濃度をたもち,あまり體内に吸收されないものがいい」というテーマを出し,そしてスルフアグアニヂンを世におくつてその效果,實に劇的であると發表したのであります。しかしながらこれに關しましては福見氏等はこのMarshallの理論を支持するBornsteinの動物實驗を否定いたしました。なお私共は臨床的にこのスルフアグアニヂンがスルフアピリジンやスルフアチアゾールに比して效力の劣ることを立證して,Marshall教理の誤謬と獨斷を指摘いたしました。第三の問題としてこのサルフア劑の赤痢に對する治效作用の本態はどこにあるかという點であります。私どもは,サルフア劑を經口的に投與した場合でも,それが大腸に於ける病巣部への直接作用というよりも,藥物が一旦血中に吸收され,それがある程度以上の有效濃度をもつということがその本體であるというふうに解釋いたします。
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