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公衆衞生と社會心理學—公衆衞生教育の一環として
著者: 高木正孝1
所属機関: 1東邦醫大
ページ範囲:P.114 - P.115
文献購入ページに移動人間は社會的動物である。今になつて漸く古代ギリシヤの哲學者アリストテレスの「政治的動物」こそ人間であるという言葉が意味をもつて來る。人間は本來個人としては存在し得ないのであつて,ロビンソンクルーソーはまさにお話である。
それ故,本來醫學さへも社會醫學であるべきであり,いわんや心理學に於てはそのすべてが社會心理學であつてよいわけである。しかし例えその生物學的方面は早く注意されたといつても,社會的觀點から問題をみようとする傾向は漸く最近にいたつての話であり,社會心理學はまさに若い學問といわねばならない。それは十九世紀の後半以後,人間の科學として漸く體系をとゝのえはじめた心理學,社會學,人類學などの源泉から生れたといえるであろう。
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