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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生9巻3号

1951年03月発行

文献概要

研究報告

ゴム工場に於けるベンツオール中毒測定及びソルベントナフサの毒作用

著者: 高崎浩一朗1 内藤哲夫1 吉原林1

所属機関: 1久留米醫科大學藥理學教室

ページ範囲:P.175 - P.176

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 ベンツオールの直接定量はかなり面倒なものであるが,體内に吸收されたベンツオールは石炭酸類に酸化された後その大部分は硫酸と結合し尿中に排泄される故,間接に尿中有機硫酸量を測つてもその吸收度は測られるわけで,事實應用せられるに至つている。既ちJcrdi(1)等(1939)はベンツオールに接した事のない50例に就いて尿中有機硫酸の排泄量を測定した所,總硫酸中の有機硫酸正常量の上限界は20%と考えるべきだと云う結論に達した。又籠山氏(2)(昭14)が行つた實驗によると對照としてベンツオールの無い工場の33名に就いて檢査した所では何れも20%以下であつたと報告されている。Yant(3)等(1936)がベンツオール使用工場の男女工員60名に就き檢査した所,63.3%に於て陽性者(尿中有機硫酸の總硫酸に對する%が20%以上の者)を出したと云う。又Jordi(1)等は凹版印刷及時計工場に於て女工員を調べ,この工場の間には大きな差異のある事を認め,危險な濃度のベンツオールに暴されていても20%以下の事もあり得ると云い,又塗料使用工場の20名中12名が正常,3名が15〜20%(臨界値),5名がわずがに上昇していたと云う。又籠山氏(2)が塗装を行う者160名に就いてこれをFlin法により測定した所,陽性者38名(2375%)であつたと云う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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