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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生9巻4号

1951年04月発行

文献概要

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最近の狂犬病ワクチン

著者: 長野泰一1

所属機関: 1傳染病研究所

ページ範囲:P.219 - P.221

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Pasteurワクチンの效力の限界
 昨年國際連合の世界保健機構(Organisationmondiale de la Sante)が60箇國に亘る主要研究所に向つてどんなワクチンが良いと思うかと質問した所が,Pasteur法が良いと答えたのはただの2箇所であつたという。その2箇所とはわが傳染病研究所とアルジエリアのInstitut Pasteurである。Pasteurワクチンはそんなに惡いものなのか,Pasteurワクチンよりも良い事が確證されたワクチンが澤山あるのか。McKendrick(1)がかつての國際連盟の委囑によつて調査した結果,どのワクチンが優れているのか判らないし,Pasteurワクチンをも含めてそもそも狂犬病ワクチンなるものがきくのかどうかも判らないと報告した。あの有名なTopleyの著書の最新版(1946)などもこの報告に基いてPasteurワクチンの效果を殆ど否定しかねない論調を示しているが,甚だ輕度である。McKendrickの調査は數年にわたり,總數百萬例以上について行われた大規模のものであるが,統計の取り方が間違つているのではないか。Greenwood2)は狂犬病ワクチンの效果に關する統計においては對象の條件が餘りに不均一である爲に捨てるべき症例が多過ぎる。これまでのような資料を今後幾ら集めても正しい統計は取れないだろうといつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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