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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生9巻5号

1951年05月発行

雑誌目次

特集 第5回日本公衆衞生學會

學會長挨拶

著者: 古屋芳雄

ページ範囲:P.254 - P.254

 皆樣の御承知の通り今回は4月2日より4日に至る3日間に第13回日本醫學會總會の一分科會として,第5回日本公衆衞生學會が,開催せられましたが,北は北海道から南は九州まで全國の行政關係者及び學校より提出せられた200餘題の報告並びに討論を含む本學會を未曾有の盛會裡に終了出來ましたことをここに御報告申上ると共に皆様から寄せられた御支援に對し深い謝意を表する次第であります。ただ限られた時間のため充分な發表,討論が出來ず一部の割愛を余儀なくされたことをお詫びいたします。
 なお,特筆すべきは,報告が基礎醫學,臨床醫學と共に全國の行政機關からも多數提出せられ,殊にその未端機關である保健所からの報告が非常に増えたことでありましよう。かくて學問と實際,行政と技術とが渾然一體となつて論議する機會が與えられ,非常に活き活きした空氣が醸しだされたことは洵に喜ばしいことで,これは新しい時代の公衆衞生學會の在り方を示唆するものであり,本會の將來のためにもまことに慶賀すべきことと存するのであります。

衞生教育に關する討論會

著者: 山口正義

ページ範囲:P.259 - P.262

 第13回日本醫學會總會中の日本公衆衞生學會の一大エヴエントである「衞生教育に關する討論」は,學會の第1日である4月2日の午後1時から,東大法文經第21番教室で,厚生省公衆衞生局長山口正義氏司會の下に開會された。

優生保護問題討論會

著者: 古屋芳雄

ページ範囲:P.263 - P.265

 本討論會は第2日(4月3日)午後1時から今次日本公衆衞生學會の特別番組として開かれた。

グラビヤ

第13回日本醫學會總會點景

ページ範囲:P.255 - P.258

 總會の催しの一つとして行われた本會は,日本醫師會をはじめ總會講演者の出品,各醫學研究團體の出品46からなる現代醫學會の一大縮圖である。

一般演説

第1日

著者: 雫田一士 ,   畑中ふくえ

ページ範囲:P.266 - P.292

1 梅毒の血清診断法に關する研究補遺(第2報)
  梅毒血清反鷹に茄ける血清非働化に關する研究
A 梅毒可檢血清の非働化に關する實驗
 梅毒可檢血清を非働化する目的は同血清に含有する①補體②非特異性氏反應物質③抗補體性物質④梅毒血清沈降反應阻止物質(卒田假稱)等を無力化して安定した可檢血清を得るにあるが其方法は周知の如く專ら加熱に據る。
 余等は急性熱性傳染病(パラチフス)患者血清中に非特異性W氏反應物質を認めたが本物質は55℃20分の加熱にて完全に非働化した。

第3日

著者: 渥美浩

ページ範囲:P.315 - P.346

118 津輕農村に於ける乳幼兒,學徒の着衣状況及び衣服,體重比と身體發育
 青森縣津輕農村地區の乳幼兒,學童,中學校及び高校生徒の男女約6,000名に就て,昭和25年の冬・春・夏に於ける着衣状況,衣服重量,身體の形態的(體重,身長,胸圍,坐高)測定と行い,衣服體重比,學徒の厚着,薄着の者と身體發育等に就き,種々檢討し,次の結果を得た。
 1〕着衣状況 1)枚數は性別,年今別じ冬約5〜6枚,春約4〜5枚,夏約2枚で,地質は木綿,混紡織物が主である。2)和服,洋服別の着用は乳幼見では冬と春は殆ど和服,夏は洋服が多くなる。學徒の通學着は全季節を通じ殆ど洋服である。

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第13回日本醫學會總會の講演概況

ページ範囲:P.347 - P.353

 第13回日本醫學會總會は4月1〜5日東京で開かれた。1日と5日は總會講演,2〜4日は計41の各分科會の研究報告にあてられた。分科會の演題總數約5200を數え,總會々員數は18000に達したのである。
 こゝに,總會講演と,特に公衆衞生に深い關係のある分科會での報告の要旨と印象とをかゝげる。ちなみに,第36分科會の日本公衆衞生學會の分は別に學會記事としで登載されるのでこゝには省いた。

日本公衆衞生協會趣意書

ページ範囲:P.262 - P.262

 公衆衞生は政府の施策に併せて民間の盛り上る意慾と積極的協力とによつて始めてその全きを期し得るのである。アメリカ合衆國を始め各國に於ても,それぞれ公衆衞生協會の全國的組織を中核とした民間團體の活溌な活動がみられるのである。
 わが國に於ても明治初年公衆衞生行政の發足後間もなく,先覺者による民間團體の活動が計畫された。即ち明治16年に日本醫界の先達長與專齋先生によつて私立衞生會が組織され政府の施策と呼應し,或はその足らざるを補つて,幾多の業績を收め,その後財團法人日本衞生會へと發展し,今日に到つたのである。

第5回 日本公衆衞生學會に對する批判

ページ範囲:P.346 - P.346

1.準備期間
 正式に準備を開始出來たのが12月初旬であり,開期まで僅か4ケ月しか準備期間がなかつたことは本質的に無理であつた。

山口正義氏を後任監修者に

ページ範囲:P.305 - P.305

 本誌監修者前厚生省公衆衞生局長三木行治氏が,岡山縣知事に當選されましたので,後任監修者として厚生省公衆衞生局長山口正義氏が就任しました。なお三木氏は編集同人として今後も本誌のため御盡力いただきます。

編集室より

著者: S生 ,   Y生

ページ範囲:P.314 - P.314

 第5回日本公衆衞生學會の庶務的仕事の擔當者として,一番重要であり,又皆樣も,一番御期待せられている學會號をここにおくるにあたり,私達,淺學菲才の者には,その任が重く,先輩諸士に編集を手傳つていただき,又事務不馴れ,連絡不行届のため,皆樣の御期待に反し,龍頭蛇尾になつてしまったことを御詑びいたします。
 編集にあたつては,學會當日のプログラム順と少しくおもむきを變え3日間を通し番號にした,又一般演題の方は,演者の方々に種々御無理なお願いをいたし,當日會場で抄録を書いていただいたりし,失禮いたしましたが,これも私達は一日も早く,皆樣のお手元に學會號をお届けするためだつたことを御了承していただきたい。又編集をいそいだので,200題餘の演題抄録も,内には單に演説内容といつた程度で,満足しなければならなかつたものもあります。

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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