文献詳細
保健所便り・6
文献概要
京濱線で六郷の鐵橋をわたると,すぐ川崎である。東京をめぐる衞星都市の1つ,お大師樣と工場で知られた町だ。驛前から海にむかつて,二十間道路がまつすぐにのびている。だだつぴうさとがざつな氣配が妙に印象にのこる。建築中の鐵筋ビルが,2つ3つ眼にとまるのが,わずかに工都らしい感じだ。
驛員に中央保健所をたずねる。さあ,と首をかしげてそこの交番できいて下さいという。交番にきけば,この道路をずつといつた税務署の前がそうでしようとこたえる。はなはだ心もとない。案のごとく,ゆきついた税務署の前にはなかつた。も一度,ゆきずりめ娘さんにたずねると,市役所の中にあるんですとおしえてくれる。市役所などは,とつくのむかしに通りすぎてきていた。
驛員に中央保健所をたずねる。さあ,と首をかしげてそこの交番できいて下さいという。交番にきけば,この道路をずつといつた税務署の前がそうでしようとこたえる。はなはだ心もとない。案のごとく,ゆきついた税務署の前にはなかつた。も一度,ゆきずりめ娘さんにたずねると,市役所の中にあるんですとおしえてくれる。市役所などは,とつくのむかしに通りすぎてきていた。
掲載誌情報