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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻1号

1956年01月発行

文献概要

綜説

失明の定義及び失明の予防—アジア盲人福祉会議講演要旨

著者: 植村操1

所属機関: 1慶応大学

ページ範囲:P.5 - P.7

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失明の定義
 失明について論ずるには,先づ失明の定義を確立しなければならない。しかし之は非常に困難な問題で,現在も尚決して一定していない状態である。従つて各国に於て過去に行われた多くの調査,統計を我々が検討するときに甚しい混乱を来たし,その各々を比較対照することは殆んど不可能といつてもよい位である。
 日本に於ても現在までに多くの失明者についての調査はあるが,この一国内に於ける調査でさえその失明の定義が区々である為めに,その成績に相当大きな相違を来たしている。失明ということを学問的に,最も厳格に云うならば,光覚の全く消失したものを指すのであつて,失明の定義をここに求めるならば,調査,統計にも,その困難は非常に減少される筈である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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