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臨床実験
眼圧力脈波に関する研究(第3報)—高血圧者の眼底動脈の諸量の循環力学的観察
著者: 瀬戸山陽1
所属機関: 1八幡製鉄所病院眼科
ページ範囲:P.36 - P.47
文献購入ページに移動 著者の第1報に於いて述べた如く,上膊動脈血圧と眼底血圧とは平行しないものであつて,往々前者の値から直ちに後者ひいては脳出血を推定出来ないのである。依つてここに眼底血圧測定の意義があるのである。又血圧の上昇が生体の何処のどの様な変化によつて惹起されるものであるかは,高血圧の発生機序が一様でないため簡単には考えられない。しかし最近,所謂全身高血圧の一成因として,末梢血管緊張による抵抗増加を考え研究がその方向に向けられて来た。もし高血圧の原因の1つとして,末梢抵抗の増加の程度及び血管壁容積弾性率,緊張度,搏出血量を知り得たならば,高血圧の治療及び高血圧の進行程度を知る上に便なるものと思われる。
著者は正常者と高血圧者,即ちWezler及びBoger両氏の提唱せる弾力性高血圧者と末梢抵抗性高血圧者の眼圧力脈波を解析し,循環力学的に前部諸量を計測算出し,その相互間に如何なる関係があるかを追求し,次の如き成績を得たので茲に報告する。
著者は正常者と高血圧者,即ちWezler及びBoger両氏の提唱せる弾力性高血圧者と末梢抵抗性高血圧者の眼圧力脈波を解析し,循環力学的に前部諸量を計測算出し,その相互間に如何なる関係があるかを追求し,次の如き成績を得たので茲に報告する。
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