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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻1号

1956年01月発行

文献概要

私の経験

表層角膜炎の治療法

著者: 大橋孝平1

所属機関: 1慈恵会医科大学

ページ範囲:P.83 - P.85

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1.はしがき
 表層角膜炎の内でも,しばしば遭遇するものは流行性角結膜炎による点状表在角膜炎である。これは近来,細隙灯所見によれば,重症のものは実質混濁,深部血管新生等を伴い殆んど各型のヘルペス性角膜炎に類似の病型を示し易く又は時には角膜再発糜爛や疼痛を伴うこともある。そこで本項では表層角膜炎の治療としては,一応この様な点状型,瀰漫型の角膜炎と辺縁に来る角膜炎,銭形角膜炎,樹枝状角膜炎,糸状角膜炎,円板状角膜炎,その他の疱疹性潰瘍や再発性糜爛等も同一項目中に総括して,その治療法を述べることにする。
 次に流行性角結膜炎には抗生物質は余り奏効しないとも云われるが,然し,表層角膜炎としての治療は必ずこれに附随して,又はこれに先行する各種の急性,亜急性結膜炎の治療を寧ろ重視すべきであると思う。この結膜炎の治療を充分にすれば,多少共本症発生を予防減弱せしめうると思われる場合が少くないからであつて,近来の抗生物質治療の併用は,常に重要なものであることを附言して稿を起したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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