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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻1号

1956年01月発行

文献概要

トラホーム予防会会誌

奈良県に於けるトラコーマ集団治療の4ヶ年の綜合成績—I.トラコーマ集団治療の実施要領に就いて

著者: 神谷貞義1 山本純恭1 堀内徹也1 山岸陸男1 岩垣正典1 百瀨皓1 畠山昭三1 石井和子1 阿部圭助1 岡繁宏1 沢田孝明1 阿久津澄義1

所属機関: 1奈良医大眼科教室

ページ範囲:P.97 - P.102

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 日本に於けるトラコーマ罹患率は,欧州大戦を契期として,日本人の生活水準が改善されるに伴って著しい減少の傾向をたどり,特に第2次大戦後に於てその傾向は,著明に顕れている。その証として,大都会等に於ける病院では,劇しい炎性症状を持ち,強い内反症,パンヌスを伴つた患者に逢遇する機会は殆んど無くなった事を挙げる事が出来る。これは丁度,劇しいフリクテン性角膜炎や淋菌性膿漏眼が近年激少して来たのと良く似ている。然し,日本のトラコーマ学者の発表ではその罹愚率は,最近でも可成り高く,亦簡単に治る事を教え,且免疫が出来る様にも言われ,これは新しいトラコーマの概念に基くものといわれるが,そのlogicは我々にはよく判らない。
日本人のトラコーマ罹患率は昔と変らないが,その症状は全般に軽くなったという意味であろうか?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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