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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻12号

1956年12月発行

文献概要

臨床実験

外傷性硝子体前房内脱出の二例

著者: 朝蔭武司1 小野冨士郎1

所属機関: 1日大医学部眼科

ページ範囲:P.1505 - P.1507

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 硝子体前房内脱出を細隙燈顕微鏡で最初に観察報告したのはErggeletで有り,Hesseは之を詳細に観察記載した。我国でも中村,諌山,加藤,豊島,田野辺,樋田氏等の他数氏の症例報告はあるが其の数は比較的少い。本症の発生機転には諸説があるが,水晶体とZinn氏帯が硝子体前面と眼房との間の障壁を成しているので,硝子体の前房への脱出には此の障壁の全体又は一部分の欠損によつて脱出路が形成されることが前提となり,更に外力の加わつた場合に起つて来るので手術,打撲等の外力の加わる事によつて発生する事が多い。我国の報告例も殆んどが打撲に原因している。硝子体前房内脱出は其の臨床所見より硝子体前境界層が破れずに硝子体を包んだまま脱出した場合は脱出部が嚢状又は茸状を呈し,前境界層が断裂を起した時は絮状を呈するとHaitz (1930年)は述べている。我々は最近定型的な嚢状を呈する症例及び硝子体が累状を呈し角膜後面に附着した症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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