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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻2号

1956年02月発行

文献概要

特集 第9回臨床眼科学会号 一般講演

(13)眼圧測定値より見たocular rigidity

著者: 景山万里子1

所属機関: 1東京警察病院

ページ範囲:P.228 - P.234

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 眼圧計の測定結果は,眼内圧と眼球壁硬性ocu-lar rigidity (以下O.R.と略称)との二つの要素の影響によつて決定されるものである。SchiotzはこのO.R.を考慮して,open manometerによる実験を含めて,1925年に眼圧計の読みからミリメートル水銀柱への換算表を改訂したが,未だ臨床的にO.R.を測定,応用する迄には至らなかつた。J.S.Friedenwaldは1948年にopen manom-eter及びclosed manometerによる測定と,眼圧計をのせた時の眼球内容の排除液量の測定とを行い,これを数学的に解析し,更に500の正常眼を2種の眼圧計重錘(5.5grと10gr及び7.5grと15.0grの組み合わせ)で測定し,この読みの組み合わせによる臨床的データーに実験的データーを綜合して,相当正確に人眼の正常O.R.を算出した。この結果正常眼内圧は,Schiotzによつて示された換算表の値より稍々低いものとなり,1954年アメリカ眼耳鼻学会,眼圧計規正委員会ではこのO.R.を精密に考慮したFriedenwaldの1954年発表の改訂換算表が採用される事になつた。又W.M.Graptも1950年に電気トノメーターによつて同様の実験を試み,Friedenwaldと全く同じ結果を発表している。眼圧を測定する場合O.R.の異常によつて,示される眼圧計の値はかなり違つて来る場合がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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