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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻2号

1956年02月発行

文献概要

特集 第9回臨床眼科学会号 一般講演

(15)眼のRigidityと屈折度との関係に就いて

著者: 本多英夫1 小島芳子1

所属機関: 1名古屋市立大学眼科

ページ範囲:P.237 - P.241

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緒論
 Friedenwald氏に依れば,ocular rigidity (Rと略す)とは,眼球容積が外圧に依つて変化する際に,眼球の示す抵抗であると定義されている。今Rの概念を眼圧測定値に加えると眼圧tensionと眼内圧intra ocularpressureとの正しい関係が得られると謂われる4)5)。この概念及び具体的な人間の眼に於ける推定法は,氏に依つて確立せられ,氏はR係数が50歳迄は年齢の増加につれて増加し,高度近視では減少する事を示した2)。此れは既にDoesschate氏に依つて紹介せられ1),我が国では今井氏がこの問題を近視に結びつけ,矢張り近視度の増加と共にR-係数は小さくなる事を示した12)。若しも此等の結果が正しいならば,現在問題となつている学校近視の論争に一つの資料を提供するかも知れない。
 処がR係数は5.5g,7.5g,10.0gの重錘で眼圧を測定し,そのmmHgの値の差から求められるが,一般に眼軸の長いと云われる近視眼が,その逆の遠視眼に比し眼圧が高いと云う事は問題にされた事はない様で,眼圧は屈折度とは関係ないものと考えられる。然し同様に眼圧測定値から計算されるR係数の場合のみ,屈折に対する影響が現われて来ると云う理由は何処にあるだろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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