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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻2号

1956年02月発行

文献概要

特集 第9回臨床眼科学会号 一般講演

(18)学童トラコーマの検診から見たトの発病問題に就て—特に細隙灯による検査の必要を論ず

著者: 鈴木宜民1 高野俊男1

所属機関: 1千葉大学医学部眼科

ページ範囲:P.244 - P.249

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緒言
 三井氏等の唱導する総べてのトラコーマが急性に発病すると云う学説は正に虚構ではないか。鈴木はこの点を明らかにしたい為めに,一昨年来学童の検診成績から,トは大部分無自覚,慢性に発病するのである事を再三主張して来た1)2)3)。吾々の教室では鈴木のこの主張を更に確認すべく,その後も学童トを対象にその経過を観察中であるが以下今日迄に得た成績の中から,1,2気付いた処を報告しておきたいと思う。最近の臨眼10号誌上に中村教授はW.H.O.国際トラコーマ専門委員会の報告を詳細に述べておるが,その中で日本のト急性発病説に関しては彼の地で徹底的に批判されて来た事を告白しておるが,一昨年来の鈴木の学会に於ける発表を伝へて頂けなかつたようで心から残念に感ずる処であるが,その意味をも含めて,ここにトの急性発病説に,正面から反対して来た吾々の立場を更に明確にしておきたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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