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特集 第9回臨床眼科学会号 一般講演
(32)カーボワツクスに依る抗生物質点眼液に就て
著者: 八束米吉1
所属機関: 1横浜市大医学部眼科
ページ範囲:P.307 - P.310
文献購入ページに移動 ペニシリンに始まる抗生物質の出現は,眼科の治療藥に一大変革をもたらした。これには眼科では局所投与が容易な場合が多いと云うことがあつかつて力がある。所がこの局所投与の大部分を占める点眼藥に就て幾多の問題が残つている。例えば内服用カプセルの型のものやクロラムフエニコール結晶が水に難溶であること,又,水に溶け易いものでもその大部分が不安定であること等である。この為め,現在では多く軟膏が用いられているが,これにも,家庭での使用が六ヵ敷しいこと,視力障碍が強いこと,製法が面倒なこと(普通の方法で比較的均等なものを得るには数時間を要する),油性軟膏であるために涙液に触れる部分だけが有効に働くこと等の諸欠点を有する。是等の欠点のいくつかを除く意味で,田野,荻原,杉浦等の諸氏によつて油性点眼藥が試みられているが,これとても油性であるための欠点は免れ得ない。
著者は最近,Polyethylenglycolを使つて,稍々満足出来る抗生物質の点眼液を作り得たので諸氏の批判をまちたい。
著者は最近,Polyethylenglycolを使つて,稍々満足出来る抗生物質の点眼液を作り得たので諸氏の批判をまちたい。
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