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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻2号

1956年02月発行

文献概要

特集 第9回臨床眼科学会号 一般講演

(34)オーレオマイシン油性点眼藥の臨床効果について

著者: 田野良雄

所属機関:

ページ範囲:P.315 - P.317

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 和和26年著者1)はサラダ油を基剤として各種抗生物質の油性点眼剤を作り,治療上実用し得ることを発表した。其後油性点眼剤に就ては萩原—杉浦,井上—中之,池田氏等の研究報告がある。当初油性点眼剤には懸濁せる抗生物質が沈澱し易い欠点があつたが,井上—中之4),萩原—杉浦氏5)等は基剤油にモノステアリン酸アルミニユームを加えて,此の欠点を除いた。オーレオマイシン油性点眼剤が比較的長期間(33日以上)安定なることは井上—中之氏3)が報告した。其の臨床効果に就ては,著者1)及萩原—杉浦氏2)は充分の効果ある事を認めて居るが,青木氏6)等は藥剤の結膜嚢内滞留時間に関する実験結果から油剤は「結膜嚢内滞留時間が予想以上に短いので,急性結膜炎のような場合は別としても,長期間を要するトラ治療剤としては一般に不適当と思われる」と反対意見を述べた。然し桐沢氏7)等の研究によれば,結膜嚢内滞留時間は水溶液<油剤<軟膏であつて青木氏等の成績とは異る。最近池田氏8)等は60名のトラコーマ学童に対し1%テラマイシン油性点眼藥を1日2〜3回点眼治療し,44名のトラコーマ学童に対する1%テラマイシン軟膏1日2回点入による治療成績と比較し,ほとんど変らず,むしろ優つた成績を示したと報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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