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臨床実験
ハイドロコーチゾンの眼疾患に対する効果の再検討
著者: 菱実1 多田桂一1
所属機関: 1東大分院眼科
ページ範囲:P.485 - P.488
文献購入ページに移動 コーチゾンが眼科領域に於ける劃記的藥剤として広く愛用されつゝあることは申すまでもないが,これと近似の構造を持ち,更にその藥理作用の強いと云われるハイドロコーチゾン(即ちCo-mpound F)の眼疾患に対する効果に関しては未だ充分な検討がなされていない様である。たとえば症例の報告に関しては外国ではGordon,Steffe-nsen,McDonald,Hogan等,我国に於ては,三井,筒井,倉知,鴻氏等の報告があるが,何れも例数が比較的少なく,殊にコーチゾンとの比較に関しては詳細な記載がなく僅かにコーチゾンの無効例に対してハイドロコーチゾンの有効であつた症例を記述したものや,ハイドロコーチゾンの使用法に就ても結膜下注射のみに止つた報告などである。
一方さきに,吾々の同僚,岡田,高尾がハイドロコーチゾンに関する実験的研究の一部を発表したが,角膜創傷治癒に関する影響はコーチゾンに比して遙かに長期間持続するのが認められた。一方ハイドロコーチゾンは点眼に依つては無効であるとの説もあり(医師会治療指針),此等の諸点を臨床的に検討したいと老えて,約80例の症例に就いて観察した。
一方さきに,吾々の同僚,岡田,高尾がハイドロコーチゾンに関する実験的研究の一部を発表したが,角膜創傷治癒に関する影響はコーチゾンに比して遙かに長期間持続するのが認められた。一方ハイドロコーチゾンは点眼に依つては無効であるとの説もあり(医師会治療指針),此等の諸点を臨床的に検討したいと老えて,約80例の症例に就いて観察した。
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