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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻4号

1956年04月発行

文献概要

特集 第9回日本臨床眼科学会号 〔一般講演〕

(11)高血圧の血管Rigidityに関する研究

著者: 山本由記雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科教室

ページ範囲:P.638 - P.644

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緒言
 先きに私は網膜中心動脈波伝達時間に関する研究を発表し(第50回日眼総会)網膜血管硬化度の大なるものの伝達時間の短縮を認め,血圧との相関は勿論あるも,主体性はむしろ血管壁にあろうと指摘したが,その血管壁,特に網膜中心動脈の血管壁のRigidityに関しての研究は,Fritz,Ro-llet magitot Coppez,Dubar u.Lamacheの諸氏,本邦では,長谷部,塚田の両氏の報告があつた。しかし,これらは,Bailliart氏眼底血圧計による血管搏動開始時と律動的な搏動発現時との加圧差(gr数)で,それを所謂,網膜中心動脈壁弾性或いは緊張度の測定としたのである。Bailliart氏眼底血圧計の不信度は吾人の認める所であつて本現象の肉眼的把握の不正確性と相俟つて誤差の大なるものと考えられる。幸いに,植村式の電気眼底血圧計はこの種研究に便宜をもたらし,脈波面積変化率による血管壁Rigidityの計測が可能となつた。本研究は,川嶋氏,大岡—大神氏が行つておられるが,両者を合計しても統計的処理には少きにすぎるし,又,何れも一負荷のRigidityについてであり,これは単に眼底変化の度に従つてRigidityが増加すると云つた従来の通念から出ていない。これは血管壁硬化えの過程の真相を把握したとは思えない。私はかかる目的の下に本研究を行い,新知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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